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2019/10/28

偉大な組織の最小抵抗経路

ロバート・フリッツの「偉大な組織の最小抵抗経路 -リーダーのための組織デザイン法則-」を読みました。





前作の「自意識と創り出す思考」と同様、どこの書店にも置いてなくて困りました(笑)。





前作も今作もめちゃくちゃ面白いのにどうして置かないんでしょう。

おもしろい理由は、何といっても今までビジネスの世界では常識と思われていたことと全く逆のことを言っているところです。


「組織内にはボトムアップでできることもあるが、組織自体をボトムアップで立て直すことはできない。昨今流行の「自己組織化」で組織を立て直すことも不可能である。(中略)もちろん、愚かな経営を批判するのは簡単で、上意下達は批判の的の代名詞だ。まるで誰もが自分自身のリーダーになるしかないかのようだ。これを真に受けた人たちは、自己組織化主義になってしまう。どんな「主義」もそうであるように、主義が浸透すればするほど観念化が進み、創造性やイノベーションが犠牲になっていく」


「昨今、たいていの組織は、ビジョンや目的やミッションを言葉にして謳っているが、ビジョンや目的やミッションが、明快に意思決定と行動を導いている組織は滅多にない。言葉にしているだけで目的を持たない組織と、言葉にしていないが目的を持つ組織があったら、どちらで働きたいと思うだろう」


「シックスシグマの批判ばかりにきこえるかもしれないが、私が批判しているのはそういうプログラムを生み出している思考のほうである。シックスシグマは単に元来有用なものが思考停止して無意味な形式になってしまった一例にすぎない」



組織構造の9つの法則

第一法則
 組織は、揺り戻すか、あるいは前進する。
第二法則
 揺り戻す組織では、成功が相殺される。
 前進する組織では、成功が持続する。
第三法則
 組織構造が変わらなければ、組織行動は元に戻る。
第四法則
 組織構造が変われば、組織行動は変わる。
第五法則
 組織構造が組織を支配しているとき、組織は前進する。
第六法則
 葛藤行動が組織を支配するとき、揺り戻しが起こる。
第七法則
 組織構造が不適切な場合、直すことはできない。
 その代わり、不適切な構造から適切な構造に移行できる。
第八法則
 上位の組織化原則が不在だと、組織は揺り戻す。
 上位の組織化原則が支配すれば、組織は前進する。
第九法則
 組織の支配的な価値は、競合する他の小さな価値を追う払う。



最初に書くべきでしたが、ここで「構造」とは、

構造とは(組織のような)実体であり、(人、資源、志、価値観、市場トレンド、能力レベル、報奨制度、部署の役割、資本、仕事の負荷と生産能力の関係などの)個々の要素やパーツから成り立っており、その個々の要素やパーツは相互に関係性を形成し、影響を与え合っている。


一度読んだだけは読み飛ばしてしまっているところがたくさんありそうです。

何回も読みたい本です。


ピーター・センゲの序文だけでも買う価値があります。

超おススメす。

2019/10/23

ヤバい集中力

鈴木祐氏の「ヤバい集中力 -1日ブッ通しでアタマが冴えわたる神ライフハック45-」を読みました。





著者が1日平均で15の論文と3冊の本を読んでいると知り、読んでみたくなりました。

そんな著者が「集中力」の本を書くのですから、説得力が違います。

また、学術的な面もフォローしてくれているので助かります。

まず、サブタイトルの45の神ライフハックのうち、わかりやすいものを挙げると・・・


 1.1度にコーヒーを2本以上飲まない
 2.コーヒーにはミルクかクリームを入れる
 3.起床から90分はカフェインを飲まない
14.朝イチは簡単なタスクから手をつける
33.歌詞のついた曲は厳禁

後は読まないとわからないものばかりです(笑)。


この本では、「獣」と「調教師」のメタファーで脳の仕組みを説明しています。

獣:「衝動」や「辺縁系」
  ①難しいものを嫌う
  ②あらゆる刺激に反応する
  ③パワーが強い

調教師:「理性」や「前頭前野」
  ①論理性を武器に使う
  ②エネルギー消費量が多い
  ③パワーが弱い


上記の教訓として、

1.調教師は獣に勝てない
2.集中が得意な人など存在しない
3.獣を導けば莫大なパワーが得られる


では、調教師はどうしたらよいの?

食事から行動習慣からいろいろ書かれていますが、「物語」こそが調教師が使える最強の武器だと言っています。


この1,2週間で3回目の「物語」ですね。



読みやすいですし、チェックポイントが山ほどある本でした。

おススメです。

  







2019/10/18

[イラスト解説]ティール組織

フレデリック・ラルーの「[イラスト解説]ティール組織 -新しい働き方のスタイル-」を読みました。





昨年の大ベストセラー「ティール組織」のイラスト解説版です。





あんなに分厚い、しかもあの内容の「ティール組織」があれだけ売れるとは全く想像できませんでした。

買っても積読の人が多いのを著者が憂慮したのかどうかわまりませんが、読みやすい形で出てきました。


ティール組織は、組織を色メタファーで表しています。

レッド組織(衝動型)・・・マフィアのような組織
アンバー組織(順応型)・・・軍隊のような組織
オレンジ組織(達成型)・・・上場会社のような組織
グリーン組織(多元型)・・・NPOのような組織
ティール組織(進化型)


ティール組織に挑戦している有名企業は知りませんので、例を挙げることができませんが、キーワードとしては、以下の3点になります。

1.セルフマネジメント(自己管理)
2.ホールネス(全体性)
3.常に進化する目的


セルフマネジメントということはピラミッド型の組織ではないということです。

私の周りでは、指示待ち、自分では何も決められない、何事もお伺いをたてる風景を頻繁に見ますので、ティール組織には程遠い企業です(笑)。

上記のような組織では、スピード感は全くありませんし、昨日書いた「適応課題」には全く対応できません。

中小企業ではティール組織を目指している企業の話は聞くことがありますが、大企業でも実践する企業が出てきてほしいですね。








2019/10/16

他者と働く

宇田川元一先生の「他者と働く -「わかりあえなさ」から始める組織論-」を読みました。





宇田川先生が本を出しているのを知り、即効買いに行きました。

人材開発・組織開発の文脈では今一番露出度の高い先生ではないでしょうか。

宇田川先生の専門は「ナラティヴ」で、組織論でも重要な要素ですが、セールスでも重要です。



「ナラティヴには、2つの意味があります。ひとつは、語る行為である「語り」としてのナラティヴ、もう一つはその語りを生み出す世界観、解釈の枠組みとしての「物語」です。この本では、主に後者の物語をナラティヴと呼んでいます」

「ナラティヴ・アプローチは、相手の物語の硬直性を変えるような介入の方法もありますが、むしろ、こちら側がいかに硬直した物語で相手を見ているのか、こちらの物語を変えることで、よりよい実践を生み出していくことが中心に考えられてきました」



生命保険の世界で使われる「例話」は、「生命保険はよくわからない」「生命保険は損をする」「生命保険(営業)はしつこい」など、前者の「相手の物語の硬直性を変える」介入です。

ソリシターと支社長、ソリシターと代理店という文脈では、後者の「こちら側がいかに硬直した物語で相手を見ているのか、こちら側の物語を変える」のに有効です。



お互いの間に溝(適応課題)に橋を架けるためのステップ

1.準備「溝に気づく」
 相手と自分のナラティヴに溝(適応課題)が
 あることに気づく
2.観察「溝の向こうを眺める」
 相手の言動や状況を見聞きし、溝の位置や相手の
 ナラティヴを探る
3.解釈「溝を渡り橋を設計する」
 溝を飛び越えて、橋が架けられそうな場所や架け方を探る
4.介入「溝に橋を架ける」
 実際に行動することで、橋(新しい関係性)を築く



ハイフェッツのいう技術的課題であれば、既存の知識や技術で解決できますが、適応課題は関係性の中で起こるので、対話が必要になります。

世の中はほとんどが適応課題です。


この本は、今の時代最も必要な本になっていると思います。

超おススメの1冊です。





2019/10/11

日本企業がエンゲージメント経営を実践する5つの要諦

今月号のハーバード・ビジネス・レビューの論文のタイトルのひとつです。





今月のハーバード・ビジネス・レビューのテーマは「従業員エンゲージメント」です。

「従業員エンゲージメント」とは、この論文の中では、「企業が目指す方向を、従業員が理解・共感し、その達成に向けて自発的に貢献しようという意識を持っていること」と書かれています。

10年ぐらい前から、エンゲージメントという言葉が頻繁に使われるようになったともいます。

保険業界は、同業他社に動く方が非常に多くいらっしゃいますが、この「エンゲージメント」がうまくいった保険会社・保険代理店が一歩抜きんでるのではないかと思っています。

エンゲージメントを真剣に考えた方がいいかもしれません。



従業員意識調査の変化

総人件費の削減・適正化への取り組み
   ↓
人材投資に対するROIの最大化
   ↓
従業員の「エンゲージメント」を高める努力



従業員エンゲージメントに必要な3要素

①理解度
 組織の目指す方向性を理解し、それが正しいと
 信じている
②共感度
 組織に対して、帰属意識や誇り、愛着の気持ちを
 持っている
③行動意欲
 組織の成功のため、求められる以上のことをすすんで
 やろうとする意欲がある



従業員意識調査のアプローチの変遷

満足・・・この会社で幸せか
 ↓
コミットメント・・・この会社に留まる意思があるのか
 ↓
エンゲージメント・・・理性的・感情的に会社に愛着を
        感じ、自発的に取り組む意欲があるか
 ↓
持続可能なエンゲージメント・・・個人の貢献意欲を
         維持できる環境が整っているのか


タイトルの5つの要諦は以下になっています。

1.経営陣が、健全な議論を受け入れられる心理的
 安全性を担保したチームとして、機能していること
2.ファクトベースを基本に、複数のデータポイント、
 統計を組み合わせる、そうした試みへの好奇心を持つ
3.現場のマネジャーを犠牲者にしないことにコミット
 する
4.従業員に挑戦と多様性を求める以上、これまでとは
 違う”扱いにくさ”を認め、それを受け入れる
5.経営幹部やシニアリーダーのセルフエンゲージ
 メントを高める



今月号はマストバイです。

ボディ・ラーニング

マイケル・ゲルブの「ボディ・ラーニング -わかりやすいアレクサンダー・テクニーク入門-」を読みました。





「アレクサンダー・テクニークは、ボディ(からだ)をとりもどすだけでなく、わたしたちの気づきを深め、日常生活、職業生活。創造生活のあらゆる領域におけるラーニング(学習)の革命的方法である」


これが帯に書かれています。

フレデリック・マサイアス・アレクサンダーが発見した体の使い方です。

特に、頭、首、胴体のダイナミックな関係が人間の動きを組織する第一の要素ということで、「初原的調整作用」(プライマリー・コントロール)と名付けられています。


こういう本を読むと、日ごろは超早食いなのですが、「噛む」という動作を意識したり、「味の変化」を観察したり、今まで気づいていないことに気づけます。

他にも、頭にくることがあっても、呼吸を意識したり、体の温度を意識したりして、冷静さを取り戻すことができます。


しっかり学んでみたいですね。


2019/10/07

THE TEAM 5つの法則

麻野耕司氏の「THE TEAM 5つの法則」を読みました。





かなり長い間平積みになっていましたので、読んでみました。

タイトルの5つの法則とは・・・


Aim(目標設定の法則)
Boarding(人員選定の法則)
Communication(意思疎通の法則)
Decision(意思決定の法則)
Engagement(共感創造の法則)



この5つを見ても目新しいものはありません(ただ5つとも実践するのは難しい)が、法則を紹介するたびにそのの基になる学術的背景と本が紹介されているところはとても助かります。

最後にかなりのページ数を割いて学術的背景のページだけを作ってくれているのもうれしいです。