ロバート・フリッツの「偉大な組織の最小抵抗経路 -リーダーのための組織デザイン法則-」を読みました。
前作の「自意識と創り出す思考」と同様、どこの書店にも置いてなくて困りました(笑)。
前作も今作もめちゃくちゃ面白いのにどうして置かないんでしょう。
おもしろい理由は、何といっても今までビジネスの世界では常識と思われていたことと全く逆のことを言っているところです。
「組織内にはボトムアップでできることもあるが、組織自体をボトムアップで立て直すことはできない。昨今流行の「自己組織化」で組織を立て直すことも不可能である。(中略)もちろん、愚かな経営を批判するのは簡単で、上意下達は批判の的の代名詞だ。まるで誰もが自分自身のリーダーになるしかないかのようだ。これを真に受けた人たちは、自己組織化主義になってしまう。どんな「主義」もそうであるように、主義が浸透すればするほど観念化が進み、創造性やイノベーションが犠牲になっていく」
「昨今、たいていの組織は、ビジョンや目的やミッションを言葉にして謳っているが、ビジョンや目的やミッションが、明快に意思決定と行動を導いている組織は滅多にない。言葉にしているだけで目的を持たない組織と、言葉にしていないが目的を持つ組織があったら、どちらで働きたいと思うだろう」
「シックスシグマの批判ばかりにきこえるかもしれないが、私が批判しているのはそういうプログラムを生み出している思考のほうである。シックスシグマは単に元来有用なものが思考停止して無意味な形式になってしまった一例にすぎない」
組織構造の9つの法則
第一法則
組織は、揺り戻すか、あるいは前進する。
第二法則
揺り戻す組織では、成功が相殺される。
前進する組織では、成功が持続する。
第三法則
組織構造が変わらなければ、組織行動は元に戻る。
第四法則
組織構造が変われば、組織行動は変わる。
第五法則
組織構造が組織を支配しているとき、組織は前進する。
第六法則
葛藤行動が組織を支配するとき、揺り戻しが起こる。
第七法則
組織構造が不適切な場合、直すことはできない。
その代わり、不適切な構造から適切な構造に移行できる。
第八法則
上位の組織化原則が不在だと、組織は揺り戻す。
上位の組織化原則が支配すれば、組織は前進する。
第九法則
組織の支配的な価値は、競合する他の小さな価値を追う払う。
最初に書くべきでしたが、ここで「構造」とは、
構造とは(組織のような)実体であり、(人、資源、志、価値観、市場トレンド、能力レベル、報奨制度、部署の役割、資本、仕事の負荷と生産能力の関係などの)個々の要素やパーツから成り立っており、その個々の要素やパーツは相互に関係性を形成し、影響を与え合っている。
一度読んだだけは読み飛ばしてしまっているところがたくさんありそうです。
何回も読みたい本です。
ピーター・センゲの序文だけでも買う価値があります。
超おススメす。
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