イイ、イイとは聞いていましたが、大人の学び、大人の成長、人材育成に興味がある私にとってはとても良い本です。
ロバート・キーガンの発達理論は、人間の器の成長に焦点を当てたものです。
カート・フィッシャーのダイナミックスキル理論は、人間の器の成長に焦点を当てたものではなく、能力の成長に焦点を当てたものです。
「フィッシャーが主張するスキルというのは、「プレゼンテーションスキル」「ロジカルシンキング」「問題解決能力」「コミュニケーションスキル」といった表面的なスキルを含みながらも、それら一つ一つの知的能力を発動させる「深層的な装置」についての概念です」
「私たちの能力は、置かれている環境などの特定の状況の中で磨かれ、その状況の中で発揮されるものなのです。能力のこうした特性のことを「環境依存性」と呼びます」
「私たちの能力は、課題の種類や性質が変わると、発揮する能力の種類や能力のレベルが変わるのです。この特性のことを、能力の「課題依存性」と呼びます」
能力成長に関する5つの法則
①統合化
②複合化
③焦点化
④代用化
⑤差異化
5つの能力階層
反射階層
感覚運動階層
表層階層
抽象階層
原理階層
13の能力レベル
単一原理レベル(12)
抽象システムレベル(11)
抽象配置レベル(10)
単一抽象レベル(9)
表象システムレベル(8)
表象配置レベル(7)
単一表象レベル(6)
感覚運動システムレベル(5)
感覚運動配置レベル(4)
単一感覚運動レベル(3)
反射システムレベル(2)
反射配置レベル(1)
単一反射レベル(0)
知識や経験を血肉化し、レベル12に到達するためには、実践と言語化を通じて、自分の知識や経験を絶えず検証していくことが求められます。
「フィッシャーが述べている能力のレベルとは、「思考のレベル(深さ)」であり、それが高まることによって、これまで見えていなかったものを見えるようになり、これまで糸口が見つけられなかった問題の解決策を発見できることにつながり得る、ということが起きます」
ダイナミックスキル理論ははやってほしいなと思うのですが、著者が日本にいないので、
なかなか流行らないんでしょうね。
もう一つ、最上位のレベル12になるには「言語化」だけでなく、「実践」が不可欠なので、この域に達することができる人はほとんどいないでしょうね。
おススメの1冊です。
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