高石宏輔氏の「あなたは、なぜ、つながれないのか -ラポールと身体知-」を読みました。
風俗嬢のスカウトからカウンセラーに転身した変わった経歴の著者の本です。
最近、学者の書いた本が多かったので、理論的な小難しい本が多かったですが、この本は超実践
的です。
スカウトもカウンセラーもしっかり「観察」しているという点が共通しています。
この本のすごいところは、その観察から心の中で何が起きているのかをしっかり探っています。
今まで漠然と感じていたものがすべて言語化されていて、衝撃でした。
「寂しいときに彼らの誘いに乗らなければ、自分一人で寂しさを感じ続けなければならない。結局のところ、僕はいつも他人の話を聞くことで、自分の寂しさの一時的な解消をしていたのだ」
「愚痴をどう聞いてあげようか、どう聞き流そうかと考えているうちはどうにもならない。自分の都合の良いように事実を脚色して「自分は悪くない」と愚痴を言っている人間が本当は何を考え、何を隠しているか。それが見えたときに、どうすればいいか分かる」
「自分の苦手な人、避けている人と向き合って、葛藤を感じたときに、自分自身を誠実に感じることができ、新しい感覚を得ることができる」
「仕事の内容のことを細かく聞いてくる人間には簡単に嘘がつける。なぜなら、彼女は自分のことで精一杯だからだ。たとえば金銭欲に駆られた空想をしていたりして、僕のことを意識するのはやめている。反対に僕に丁寧に意識を向けている人は、僕のちょっとした緊張や違和感のある動きに気づきやすい」
「聞き手が話し手のにとってそれがどのような感情を持つような出来事であったのかを聞くと、話の質が変わる」
「悩みを解消しようとするよりも、一緒にその人自身の”箱の中”を見ていくという感覚が大切だ」
「他人に対する指示はほとんどすべて、自己嫌悪を味わわせて停滞させてしまう可能性がある」
この本は大当たりです。営業に携わる人というより人と関わる仕事している人はぜひ読んだ方がいいと思います。
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