香取一昭氏、大川恒氏の「俊敏な組織をつくる10のステップ -ホールシステム・アプローチによる新たな場づくり-」を読みました。
AIやOST、フーチャーサーチ、ワールドカフェのホールシステム・アプローチの本です。
この本は、これらの手法の解説というよりは(最後のちょっと書いてあります)、これらの手法を実践してきた著者のストーリーテリング、実践家への取材し、ベストプラクティスの紹介の本です。
著者がNTTの子会社の社長に就任したときのストーリーは、外資系や損保系プロパー社員の方は共感するところがあるのではないでしょうか。
こんな話です。
親会社から何年かおきに社長や役員が転籍してきて、そのたびに経営方針がころころ変わり、社員は不信感いっぱいで素直に同調できない、それを社長だった著者は認識していて、オープンに話し、オープンに聴き、ミッション、ビジョン、バリュー、経営方針をつくりあげた。
他にも、金融機関でのホールシステム・アプローチを活用したチームビルドの事例なども参考になります。
俊敏な組織の特徴として、以下の点が挙げられています。
◇組織の階層や部門の違いを超えた密接な社内コミュニ
ケーションを維持している
◇多様なものの見方や意見を尊重し、自由活発な意見
交換を行っている
◇組織が何を実現したいのか、そのために何が大切なの
かを、全員が共有している
◇外発的動機(「何々をすべきである」)ではなく、内発的
動機(「何々を実現したい」)を大切にしている
◇問題点ではなく、可能性に焦点を当てている
◇対話を通じて価値を共有している
俊敏な組織になるための10のポイント
(1)ポジティブな発想でテーマを設置する
(2)マイクロコズム(小宇宙)を作る
(3)安全な場を確保する
(4)もてなしの空間を演出する
(5)オープンに話し、オープンに聴く
(6)ストーリーテリングで強みと可能性を引き出す
(7)共有する価値や目的を発見する
(8)右脳を働かせて、ありたい姿をイメージする
(9)自律的なプロセスがアクションを生み出す
(10)決めようとしなくても決まる
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