P・F・ドラッカーの「チェンジ・リーダーの条件 -みずから変化をつくりだせ!-」を読みました。
エッセンシャル版三部作のマネジメント編です。
これが最も気になりました。
ほとんどの事業が、少なくとも二種類の顧客をもつ。たとえばカーペット産業は、建築業者と住宅購入者という二種類の顧客をもつ。カーペットが売れるためには、両者が購入してくれなければならない。生活用品のメーカーは、少なくとも主婦と店という二種類の顧客をもつ。主婦に買う気を起こさせても、店が品物を並べてくれなければ何にもならない。逆に、店が目につくように陳列してくれても、主婦が買ってくれなければ、これまた何にもならない。
代理店営業の世界でも同じことが言えます。二種類の顧客は、代理店さんと契約者です。保険の世界でも、二種類の顧客がいることは認識されていますが、まだまだ契約者が特定の商品を指名して買うということは少ないと思います。しかし、代理店さんのことを考えて、手数料を上げても売れません(手数料が良くて、商品が悪い商品が売れたのを見たことがありません)。逆に、手数料が高くなくても(極端に低くなければ)、保険料が安かったり、返戻率が高い方が売れます。昔と違って、代理店さんも顧客第一の方が多くなってきて、悪いものは売らない人が多くなってきました。なのに、年度末に近づいてくると、手数料アップキャンペーンが多くなってくるんですよねー。メーカーも二種類の顧客をしっかり見て、マネジメントしないといけないですよね。
マネジメントが果たすべき三つの役割
・組織に特有の使命すなわち目的を果たすこと
・組織に関わりのある人たちが生産的な仕事を通じて生き生きと
働けるようにすること
・自らの組織が社会に及ぼす影響を処理するとともに、社会の
問題に貢献すること
企業の目的は、顧客の創造である。
販売とマーケティングは逆である。同じ意味でないことはもちろん、補い合う意味さえもたない。
三種類のイノベーション
製品におけるイノベーション
市場、消費者行動、価値観に関わるイノベーション
製品を市場にもっていくまでの間におけるイノベーション
もちろん、つねになんらかの販売は必要である。しかしマーケティングの理想は、販売をを不要にすることである。マーケティングが目指すものは、顧客を理解し、製品やサービスを顧客に合わせ、おのずから売れるようにすることである。
生命保険は、一八世紀、一九世紀における最大のリスクたる早死をカバーすることによって、一九一四年までの一五〇年間、世界中いたるところにおいて、高収益産業として成長し、最大の金融サービス業となった。いまや、今日最大のリスクたる長命をカバーすることが、二一世紀の新商品として高収益の大産業になっておかしくない。
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