キース・ヴァン・デル・ハイデンの「シナリオ・プランニング」を読みました。
著者は、シェルでシナリオプランニングをやっていた人です。上でクルクル回っている「シンクロニシティ」の著者ジョセフ・ジャウォースキー、「手ごわい問題は、対話で解決する」の著者アダム・カヘンもシェルでシナリプランニングをしていたので、3人は元同僚ということになります。
どの本も素晴らしい。シェル恐るべし。
シェルのシナリオプランニングは石油危機に対する事前準備ができており、他のメジャーが多大な損失を出しているときに、石油危機の影響を最小限に抑えたことで注目されました。
本書でいうシナリオ・プランニングとは、以下のように書いてあります。
シナリオ・プランニングは、確率で未来を考えるのではなく、未来がどうなるのか、その未来がなぜ起こるのかを突きつめて考え、最終的にストーリー化するものである。
シナリオ・プランニングの効果として、以下のように書かれています。
第1の効果は、現実になりうるシナリオがいくつもある中で、どのシナリオにも耐えうる、より確実なプロジェクトを選択することによって、意思決定の質が向上するということ
第2の効果は、未来についてより良く考えるようになること
第3の効果は、シナリオ・プランニングを通してより深い洞察力を身につけ、現実に起こったことをあるパターンの一部として認識し、その認識をベースとして起こったことの意味を理解すること
第4の効果は、直接的な指示という形をとらずに、シナリオを使って決定に影響を与えること
とても面白い手法なのに、日本の企業であまり聞かないのが残念です。
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