西水美恵子氏の「あなたの中のリーダーへ」を読みました。
新聞に連載されていたコラムがまとめられた本です。
前作の「国をつくるという仕事」もとてもよかったですが、これも衝撃的な本です。
もちろん、リーダーシップのハウツウ本ではなくて、目がウルウルする場面がたくさんある著者のあり方がそのまま活字になっている本です。
私が著者のあり方を活字にするのが難しいです。とにかくすごい人ですね。世界銀行での組織開発の話には引き込まれますし、ブータンの話もふんだんに出てきて興味深いです。是非読んでほしいと思います。
ハウツウが2つ書いてあって、ひとつがパワースピーチについてです。
◆始めは単刀直入に力強く。冒頭の一分はプライム・タイムで
視聴率最高。挨拶などの無駄使いで落すと、絶対元に戻ら
ない。
◆声量を下げる。耳はうるさい声を避け、静かな声に聞き入る。
◆専門用語は絶対禁止。分かる人も、わからない人も、感心
などしてくれない。伝えたいのは内容だから、使う言葉は
簡素に限る。
◆沈黙も語彙の内。スピーチの段階や、強調したい言葉、訴え
たい主旨は、聴衆に見えにくい。前後に沈黙を入れると、
見える。
◆言葉で絵を描く。人間の脳は物語や、実例、色などに正反応
して、覚えがよくなる。
◆無テーマの演説は、退屈な演説。テーマは簡単明瞭に、
ひとつに限る。複雑なテーマや複数のものは、テーマなしと
同じこと。
◆終わりは感情を込めて。感情なしに感動はない。
もう一つは、グループ(▼)とチーム(▽)についてです。
▼グループは強いリーダーに率いられる。
▽チームは状況に応じてリーダーシップを分かち合う。
▼グループは個人が責任を負う。
▽チームは、誰の間違いでも、全員が共同責任を快く負う。
▼グループの目標は、指令されるか、所属する組織の目標と
同じ。
▽チームの目標は、チームが自発的に設定し、行動に移す。
▼グループは各々個人が成果を収める。
▽チームは個人別の成果に執着せず、全員が共同成果を
収める。
▼グループは能率的に会議を進行する。
▽チームは幅の広い開放的な議論と、活発に問題を解決する
会議を促す。
▼グループは、外部への影響力を介して、間接的に業績を
見る。
▽チームは、共同成果を直接評価して、業績を見る。
▼グループは、議論をし、結論を出しても、実行は委任する。
▽チームは、議論をし、結論を出して、自ら実行に力を合わ
せる。
▼グループは礼儀正しい議論を好む。
▽チームは率直で正直な会話を好む。
▼グループはただ黙々と働く。
▽チームは仕事を楽しみ、笑いが途絶えない。
▼グループは必要だから集まる。
▽チームは仲間との集いを待ち遠しく思う。
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