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2012/05/21

知識創造経営のプリンシプル

野中郁次郎先生、紺野登先生の「知識創造経営のプリンシプル -賢慮資本主義の実践論-」を読みました。





 
野中先生、紺野先生ペアの最新作です。かなり気合が入った1冊だと思います。
 
ものすごい数の企業の実践例が紹介されており、書きあげるまでに相当の時間が費やされたと思われます。
 
なので、滅茶苦茶内容が濃い。この頃簡単な本ばかり読んでいたせいかもしれませんが、滅茶苦茶読むのに時間がかかりました。
 
 
 
私が気になって、どうしても書きたかったところは、以下です。
 
 
 
 「モノづくり」モデルを基本としてきた日本企業には、特にビジネスモデルイノベーションが求められるだろう。確かに日本製の部品や技術力の高さは依然根強い。しかし、製造業にしても、流通業や情報通信サービス業にしても、従来日本はキャッチアップ型の事業(すでにある事業や市場)を基盤にして、その上に改善を重ねることが得意であった。
 しかし、それも限界を迎えている。キャッチアップ戦略は必ず後発のキャッチアップ戦略に抜かれる、というのが定石だ。これを避ける道はイノベーションしかない。(P.216)
 
 
「日本は技術で頑張れ」といわれながら「技術だけでは儲からない」といわれ、「新規事業で頑張れ」といわれながら「それで本当に大丈夫か?」と聞かれるような、矛盾したメッセージの板挟みになるのが日常化している。「自分の考えでやってみろ」と上司に言われて実際にやってみると、「そこまでやれと言った覚えはない」と怒られる。(中略)ひたすらこうした組織の内向きで曖昧な関係が継続されたままなので、企業が柔軟性を失っていったのも事実だ。これが、いわば「組織的ひきこもり」のような内向きの精神的症状をもたらしている。
 ダブルバインドを打ち破るには、母親(支配者)から逃げ出すか、第三者とのつながりを築くか、あるいは新たに第三の道を見出さなければならない。それには閉塞的な企業の枠を超えた対話、現状から逸脱した未来創出のための場の構築を経て、結果的に自らのあり方を生み出すこと、あるいは再構築するプロセスが必要である。(P.24-25)
 
 
閉塞していて、相互に対話の起きない内向きの社会や組織では、知識創造は起きない。こうした状況を転換するには、意識的な境界の融合や境界間の創発が生み出されなければならない。システム間、組織と環境との間での相互作用、創発が起きる媒介が必要となる。(中略)「フューチャーセンター」やリヴィングラボ(イノベーションのための都市などにおける社会実験)などの協業的な試みは、こうした場のデザイン例であると考えられる。(P.33-34)
 
 
新たなビジネスは閉じられた企業組織内部からではなく、社会的な関係性を持った「個」の気づきからしか生まれないとさえいってよい。個の力を集めて社会の問題を解決してビジネスにつなげていく新たな機能が企業に求められている。有力な存在として期待できるのが、フューチャーセンターという場である。(P.305-306)
 
 
 
ということで、私がやりたい「フューチャーセンター」に(無理やり?)こじつけてしまいました。
 
いつもならば、オスターワルダーのビジネスモデル・デザインのフレームワークを紹介して、商品競争ではなくて、ビジネスモデルを考えましょう、とするところですが、今日はがっつり書いちゃいました。
 
 
他にも読みどころたくさんの超お買い得な1冊だと思います。

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