ヤン・カールソンの「真実の瞬間 -SASのサービス戦略はなぜ成功したか-」を読みました。
20年以上前の本なので、もう古典ですね。20年以上経っていますが、内容は色あせてないですね。
スカンジナビア航空の社長だった著者が、なぜ赤字会社が優良企業に変わっていったかを書いています。
最初に以下の文章が書かれています。
人はだれも自分が必要とされていることを知り、感じなければならない。
人はだれも一人の人間として扱われたいと望んでいる。
責任を負う自由を与えれば、人は内に秘めた能力を発揮する。
情報をもたない者は責任を負うことができないが、情報を与えられれば責任を負わざる得ない。
これはいつも感じていることです。
数字が悪い時は、「私は必要とされていないのではないか?」
数字の悪いソリシターは、期待されてないよな。
数字が悪い時は、人間扱いされないときもあるなあ。
数字の悪いソリシターは、いつもひどい扱いを受けてるよなあ。
責任がないから、まあ適当でいいや。
自分がやりたいと言ったことは、一生懸命やるよなあ。
商品ごとの収益を知らなければ、「とりあえず売れればどの商品でもいいや。」
商品ごとの収益が分かれば、「どうすれば会社の利益に貢献できるかな。」となります。
著者が言っていることは、至極当たり前のことばかりで突拍子もないことはありませんが、実行することが難しいことばかりです。
たとえば、「権限委譲する」ということは、口では言えてもなかなか実行できません。
よく見かける光景は、このような流れです。
部下にやらせてみる→やらせたいいが、大筋はできているのに、細部が気に入らないため、ダメだしを連発する→部下がやる気をなくす、または、いちいち文句を言われるので、自分で考えず、いちいち指示を仰ぐ→常に、上司が関与しなればならなくなる
私の留守の間に、多くの意思決定がなされていた。そのなかには意に沿わないものもあったが、肝心なのは責任者が意思決定を行ったという事実だ。
上記のようなことは、なかなか言えません。
企業の営業経費を負担し、収益をもたらしてくれるのは、余人ならぬ顧客である。したがって、すべての経営計画は、顧客の視点から策定されなければならない。顧客の要望を最もよく熟知しているのはだれか。もちろん、顧客にじかに接している最前線の従業員だ。そこで当然、商品計画に関する最大限の影響力と、最も多くの責任と権限をもつ必要があるのは現場従業員ということになる。
生命保険業界でも、上記のことが実践できれば、差別化が図れると思いますが、難しいですね。
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