ノール・M・ティシー、ウォレン・ベニスの「JUDGMENT決断力の構造-優れたリーダーの思考と行動」を読みました。
ティシーとベニスが書いているということで、これは買わないと、と思い即買いました。
GEのイメルト、ヤムブランドのノヴァク(よく取り上げられてますが、・・)などの事例を多く取り上げていて、非常に読みやすい本です。
章の最初にポイントをまとめてくれていますので、抜粋しておきます。
第1章 決断とリーダーシップ
■決断をくだすという仕事は、リーダーの職務の核心だ。
・的確な決断をくだせば、あとのことはあまり考え
なくてもよい
・的確なくだせなければ、あとのことには何の意味もない
■長期的な成功だけが、的確な決断であることのただ
ひとつの指標となる
・優れたリーダーは取るに足りないものと重要なものとを
しっかりと見きわめる
・彼らは重要な指示を的確に出すことに集中している
■リーダーはさまざまな決断を宣言し、その実行にも目を
光らせる
・有力な支持者との関係に腐心する
・チームのメンバーからの支持を得るために、彼らを
まとめ、そして動かす
第2章 リーダーの決断のフレームワーク
■優れた決断の宣言はプロセスであって、儀式ではない
・このプロセスは、必要だとリーダーが認識し、
その宣言を規定することから始まる
・このプロセスは実行と修正作業を重ねながら続いていく
■リーダーは三つの決定的な領域で宣言しなければならない
・人事についての宣言が最も難しく、しかも最も重要だ
・他の主要な領域は戦略と危機だ
■優れた決断をくだすために必要なのは、自己認識だ
・それは個人プレーではない。支えてくれるチームが
決定的に重要だ
・周りの人たちを取り込むことが成功につながる
第3章 ストーリーを用意する
■本物のリーダーは、精神面のフレームワークを優れた決断を
くだすための指針にする
・”人に教えられる視点”によって、方向と行動の
価値観が定まる
・ストーリーを語ることによって、将来のシナリオを
活き活きと伝えられる
■最高によくできたストーリーには説得力があり、そして
実践的でもある
・次々に起こる出来事に見られる異質の要素を互いにつなぎ
合わせてくれる
・このストーリーによってリーダーは、規模、複雑さ、
そして不透明な状況に立ち向かえる
■ストーリーは生き物 変化し続ける環境に応じて進化する
・リーダーは、さまざまな選択肢を加えることによって、
可能性のある結末を探る
・ストーリーは、組織のあらゆる階層で脇筋を書くための
足がかりを用意する
第4章 品格と勇気
■優れた決断を重ねるには、リーダーに品格と勇気が備わって
いなければならない
・品格は道徳的な規準を示してくれる
・勇気は成果を生み出してくれる
■品格のある人は明確な基準を持っている
・常に責任を負い、その責任を全うする
・世の中の評判よりも自分に恥じない姿勢を大切にする
■障害にぶつかっても基準を守るには、勇気が必要だ
・品格は、そこに勇気がなければ、意味がない
・勇気は、そこに品格がなければ、危険なものだ
第5章 人事の決断の宣言
■人事の決断は、戦略と危機両方の優れた決断をするための
礎である
・チームに誰を入れるか、誰をはずすかの決断
・優れた決断を支持してくれるチームをトップ層につくる
■P&GのCEOラフリーはベビー用品事業を任せるために
重大な人事決断を行なう
・決断を練り上げわかりやすく表現する
・宣言をしたにもかかわらず、自分のチームを動員し、
ひとつにまとめるのに失敗
・”やり直しループ”をつくって調整する
■まずチームありき、戦略は二の次である
・マックナーニの”人に教えられる視点”
第6章 人事の決断 後継CEO選び
■CEO選びは最も重要な人事の決断
・すべての決断はCEOの決断から始まる
・外部からの登用は社内のプロセスが間違っているきざし
■好調を維持し続ける組織は、リーダー輩出の仕組みを
つくっている
・幹部候補者を数多く抱えている
・あらゆる階層でリーダーを育てている
■よいCEOの継承プロセスは公明正大なものだ
・CEO職の要件が明確に規定されている
・組織の成功が最終的な判断基準
第7章 戦略の決断
■戦略の決断は絶えず進化している
・大枠のストーリーによって、多くの脇筋の話の枠組みが
できあがる
・戦略的行動はそれぞれに、次の宣言の舞台を整える
■リーダーは、自分なりの戦略を練り上げなければならない
・宣言は官僚主義的な”企画屋”に任せてはならない
・宣言は絶えず見直し、更新する必要がある
■戦略的な思考は論理と感性との融合だ
・この思考には、質問と答えを具体的に示せるリーダーの
知性が必要
・周りの人たちを実行へと駆り立てられるリーダーの感情的な
エネルギーが必要
第8章 GEに見る戦略の決断
■イメルトは言う。「私の仕事はGEを指揮すること、
それも・・・・・・全く新しい世界で」
・イメルトは、成長が鈍化し規制が強化されるような世界的
環境を予見している
・急成長しているマーケットに進出して成功する道筋を思い
描いている
■最高のビジネスチャンスがふたつの広大な地域に存在している
・開発途上の国々は、巨額のインフラストラクチャー投資を
行なうだろう
・先進国の間では、医療と環境に分野に最も大きな需要が
生まれるだろう
■GEの競争力の源泉は、そのテクノロジーの専門的な知見に
なるだろう
・新生のマーケットに歓迎される新しいテクノロジーを
開発する
・既存のテクノロジーの新たな使用法を考え出す
第9章 危機における決断
■実力のあるリーダーは自ら、危機に対処する責任をとる
・危機の本質を正確に規定する能力は、絶対に欠かせない
・政治的な混乱に対して実際的科学的な対処をすると、
破滅につながることがある
■危機の臨んだときにおかす一般的な間違いは、自分の
最終的な使命を見失ってしまうこと
・緊張を緩和させる対処をしても、必ず目標に近づける
わけではない
・危機がもたらす混乱によって、思いがけないチャンスが
到来することもある
■人事や戦略にまつわるお粗末な決断が、危機につながる
こともある
・危機に直面したときは、頭がよく忠誠心のあるチームが
最も重要だ
第10章 リーダーシップを育成するチャンスとしての危機
■優れた決断をするリーダーには、危機に備える心構えが
できている
・ひとつにまとまった信頼できるチームに恵まれている
・明確な”人に教えられる視点”とストーリーを持っている
■危機が来ると、連戦連勝のリーダーは、即座に反応する
・必要な知識のある適材を投入する
・ひとつにまとまったリーダーのチームを動員して、
素早く実行する
■危機そのものがリーダーシップ育成のチャンスになる
・リーダーは成功に必要な行動のロールモデルを示す
・わかりやすい教育のプロセスが、全員を非常に重要な問題に
集中させる
第11章 知識創造
■優れた決断のできるリーダーの学ぶ姿勢は真剣そのものだ
・自分の仕事ぶりを絶えず評価している
・知識の貪欲で、経験を糧に成長を続けている
■あらゆる支持者のための知識創造こそ、明々白々な目標
・業務推進の仕組みによって、教育と学習が支えられる
・決断力が、重要なリーダーシップ育成の中心に据えられる
■顧客、ステークホルダー、より広範なコミュニティーが情報の
源になる
・誰もが先生であり、誰もが生徒
・第一線の従業員は、新たな知識労働者
0 件のコメント:
コメントを投稿