佐々木常夫氏の「(新版)ビッグツリー -自閉症の子、うつ病の妻を守り抜いて-」を読みました。
この本はかなり読みにくかったです。
自閉症の長男、うつ病・肝臓病の妻を持ちながら、超有名一部上場企業の役員にまでなられるというのは、この本では書かれている以上にとんでもない努力があったものと推測されます。
人はここまでできるんだというのは、頭が下がりますし、自分ももっとできるよと感じさせてくれます。
読みにくかったのは、以前に講演を聞きに行った時も感じたことなのですが、著者が「悲劇のヒーロー」になっているところです。書き出しが、以下のように始まっています。
「神様は私に試練を与えたというか、ちょっといたずらをされたようだ。」
旦那ががむしゃらに仕事をして、高いパフォーマンスを上げるのは、妻や子供の理解や支援があったというのが大きな要因であり、決して自分だけが頑張ったわけではありません。
先天的に病気を持って生まれてきた子供はともかく、結婚してから、妻が精神疾患になるのは、一人で勝手に病気になるわけではなく、子どもの病気のことで悩んだり、生活の中で他にも悩み事が重なって、病気として発症してしまうわけで、旦那に大きな要因があると思います。
メンタルへルスになる人が、アルコールに頼ってアルコール中毒も併発する(私の元上司も両方の気がありました)ケースが多いことと、妻が精神疾患と肝臓病を併発していることも因果関係があるような気がしてなりません。
私なら、妻を病気になるということは、自分との関係性に病気の要因のひとつがあると感じて、相当落ち込んでしまいそうですが、著者はそこのところは自分には何の責任もないと完全に切り離しているように読みとれます。それがポジティブに何事もこなしていけた原動力にもなっているようなので、なんとも言えませんが、個人的には、そこがひっかかって読みにくかったですね。
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